新型コロナウィルスと私の散歩道

 2020年2月から新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るい、日本もその例外ではなく、3月に入ってから連日感染の拡大がテレビのニュースで報道されるようになりました。4月7日には政府により東京、大阪など大都市に対して非常事態宣言が出され、16日にはそれが全国に拡大され、不要・不急の外出に自粛や、生活必需品以外の商品を販売する商店の営業自粛が要請されました。
 諸外国では国家権力による強制都市封鎖(Lock down)など強硬な手段でウィルスの封じ込みを行いましたが、日本は憲法上もそれができず、また、国民もそれを望まず、総理および都道府県知事から国民への「要請」という形でウィルスへの対応が始まりました。
 諸外国からは強制力のない「要請」だけで抑えられるはずはない、大変なことになるぞと非難されましたが、私は一部の自分勝手な人がいても、全体としては規律が守られ、それができるのが日本人だと信じています。4月末になってようやく新規感染者が少なくなりつつあり、あと一ヶ月ほど我慢すれば収まるのではないかと期待できるようになってきました。これには日本人だけでなく、総人口の約2%を占める外国人のご協力が必須なのですが、大学の留学生はもちろん、日本人以上に自粛に協力してくださる方が多く、スーパーなどで、マスクをして静かに買い物されている外国人を見ると、敬服・感謝あるのみです。
 さて、私自身は、外出自粛でほとんど電車やバスに乗ることもなくなり、早朝と夕刻の2度の散歩と、3日に一回の食糧買い出し以外は家にいることがほとんどの生活がもう2か月近く続いています。大学は教室での授業はできず、可能な科目はManabaというシステムを使って通信教育のような形で開講されていますが、いつから普通の授業が始められるかはまだはっきりしていません。故郷を離れて日本でこの災難に遭遇した留学生の皆さんには本当にお気の毒ですが、お互いに励まし合ってコロナを乗り切り、結果として、一段強い人間に成長してほしいと思って応援しています。日本で働いていらっしゃる卒業生さんも、苦労されていると思いますが、ご一緒にあとしばらく頑張りましょう。
 今月の写真は朝晩2回の私の散歩道で写した写真をご紹介します。最初の2枚は夜のライトアップですが、照明の色により、全く違った雰囲気になります。次の3枚は今年の桜、最初の一輪が開いたのが3/22、3/31頃ほぼ満開となり、その後若葉が顔を出すと花が散り始めます。最後に残った一輪を記録したのが4/26で、その間、雨の日も、風の日も毎日散歩のついでに観察を続けました。



 次の黄色い花はアカシア(金合歓)で有名ですが、次の一つの枝に違った色の花が咲く珍しい木があります。これは花桃(ハナモモ)という江戸時代に日本で鑑賞用に作られた桃の一種で実はなりません。その他、いろいろな花が咲いていて、毎日同じところを歩いていても少しずつ変化があり飽きません。


 中国本土はすでにウィルスを克服されたようですが、地球全体が落ち着くまでにはまだまだ時間がかかるでしょう。しかし、ワクチンや治療薬の研究が世界中で進んでいますので、必ず平和な世界を取り戻せると信じて頑張りましょう。

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